宮城県大崎市、開湯1000年以上の歴史を持つ川渡温泉。
鳴子温泉郷の東の玄関口として知られるこの温泉地に、長く湯治客や温泉ファンに愛されてきた宿「玉造荘」がありました。残念ながら2022年12月18日をもって閉館。
黄色と緑が混じり合うような色味の濁り湯で、オイリーな香りや硫黄臭、そしてドバドバと豊富に流れ出る湯量と、個性的でなおかつ素晴らしい湯でした。
玉造荘はこんな宿でした
- 黄緑色の濁り湯が満ちる個性豊かな硫黄泉
- ジャグジー付きぬるめ浴槽と通常浴槽の2槽構成
- 湯量豊富でドバドバと注がれる源泉
2022年の閉業とともに失われたこの湯の記憶を、記録として紹介します。
(2022年訪問時の記事です)
宮城県 川渡温泉 「玉造荘」
| 住所 | 〒989-6711 宮城県大崎市鳴子温泉字川渡62(訪問当時) |
| 電話番号 | 0229-84-7330(訪問当時) |
| 日帰り入浴 | 訪問当時 可 |
周辺の環境と立地
玉造荘はJR陸羽東線の川渡温泉駅から徒歩圏内に位置し、東北自動車道の古川ICから国道47号線を経由して約30分でアクセスできる場所でした。
川渡温泉は江合川(荒雄川)沿いに広がる素朴な湯治場で、飾り気のない田園と山の風景のなかに宿が点在します。
環境省指定の「国民保養温泉地」にも選ばれており、長期湯治の文化が今も息づく地です。

宿はこちら。雪の降り積もる季節に訪れました。

玉造荘の文字が目印でした。
「お部屋」小ぢんまりとした和室

当時のお部屋がこちら。

小ぢんまりとしていましたが、基本的な設備は整っていて快適でした。
「温泉」黄緑色の単純硫黄泉
玉造荘は内湯のみでしたが、浴室には2つの浴槽が設けられていました。
源泉は玉造荘1号・2号の混合泉で、単純硫黄泉のかけ流し。
泉質の分類は単純硫黄泉とシンプルながら、浴感は分類の印象を超えた個性を持つ湯でした。
| 源泉名 | 玉造荘1号・2号混合泉 |
| 泉質 | 単純硫黄泉(低張性弱アルカリ性高温泉) |
| 源泉温度 | 45.2℃ |
| 湧出量 | 不明 |
| pH値 | 8.1 |
| 知覚的試験(色・におい・味) | 微黄色にして、濁り少々あり、味ほとんどなく、微かに硫化水素臭を放ち、弱アルカリ性である |
●動画はこちら
メインとジャグジーの2浴槽の「内湯」

浴室はこちら。左のメインの浴槽と右のジャグジー風呂。
黄緑色の不思議な色味です。

メインの湯口からは勢いがハンパじゃない湯量で新鮮湯を堪能。
不思議なのは、湯口の近くに顔を寄せるとオイリーな香りが際立ち、少し距離を置くと硫黄臭に変わるという不思議な香りの変化です。
空気に放たれるとにおいが変わるのでしょうか?面白い湯でした。
こちらは40~41℃の適温でした。

右側はジャグジー風呂で、特にお気に入りはこちら。
メインに比べるとぬるめで長湯がしやすく、じっくりと湯に向き合える時間を過ごせました。
動画でも見てほしいのですが、両方の浴槽から絶えず湯がオーバーフローするさまは圧巻です。
これが無くなってしまったのはとても残念だと今でも思います。
「料理」シンプルながらご飯が進むメニュー
料理はシンプルな構成ながら必要十分な内容で、湯治宿らしい飾らない食卓でした。

夕食はこちら。
量は多くないながらご飯が進む好みのメニューでした。

肉団子鍋も寒い季節にはとてもあったまりました。

ご飯とお吸い物。

朝食はこちらでした。
シンプルながら定番を抑えた内容でこちらもご飯が進みました。
「まとめ」川渡温泉の個性を体現した宿
玉造荘は、温泉ファンに愛されるようないい湯を味わえる宿でした。
分析書には「単純硫黄泉」とシンプルに記されていながら、湯口の近くではオイリーに、離れると硫黄へと変化する香りの二面性は、不思議な体験でした。
豊富な湯量、黄緑の濁り湯、独特な香り・・それらが揃ったこの湯を再び体験できないことは、温泉好きにとって残念の一言に尽きます。
川渡温泉には今も個性ある湯を守る宿が残っています。この地の温泉文化を体感しに、ぜひ足を運んでみてください。
