2020年の末、長野県の沓掛温泉(くつかけおんせん)に宿泊しました。
沓掛という言葉、思わず踏掛(ふみかけ)って呼んじゃいませんか?
私もそうでした(笑
沓掛温泉(くつかけおんせん)は、長野県小県郡青木村(旧国信濃国)にある温泉。夫神岳の西麓の標高670mの山あいの静かな環境の中、沓掛川右岸の坂を登った傍にある。田山花袋が愛したことで知られる。
温泉地は小じんまりとしており、おもとや、かどや、かなふや(叶屋)の3軒の旅館があり、かつては125名の収容力があったが、かどや旅館は「日帰り温泉ふるさと」となり、おもとや旅館は満山荘としてリニューアルした。
共同浴場は1軒、「小倉乃湯」(おぐらのゆ:火曜定休)が存在する。
開湯は平安時代と言われる。信濃国司として赴任していた滋野親王が、当地で眼病の湯治を行ったという。かつては多くの旅館が立ち並び、江戸時代はかなりにぎわったと伝えられるが現在は衰退している。昔、慈野親王が入湯した際、故郷である京都の小倉山に沓掛温泉の裏山が似ていることから「小倉乃湯」と名づけたと伝えられる。
(Wikipediaより)
現在宿としては2軒しかないそうですが、
江戸時代にはかなりにぎわっていたということで、
今は残念ながらこじんまりとした温泉になってしまっているようですが、
その分人の喧騒から離れて、ゆっくりとした時間を過ごせるところです。
今回はその2軒のうちの一つ、「叶屋旅館」(かなうやりょかん)
のほうに宿泊してきました。
好きな時に貸切風呂にはいれ、そのぬる湯で心行くまで温泉と、まったりとした時を満喫できました。
沓掛温泉 叶屋旅館
住所 | 〒386-1606 長野県小県郡青木村大字沓掛428−3 |
TEL | 0268-49-2004 |
公式HP | 叶屋旅館 沓掛温泉 (kanouya-inn.com) |
公式Twitterもあるようです↓↓
叶屋旅館@沓掛温泉さん (@kanouya_ryokan) / Twitter
■温泉データ
源泉名 | 沓掛温泉1号、2号、3号泉 混合泉 |
泉質 | アルカリ性単純温泉(低張性アルカリ性温泉) |
源泉温度 | 35.3℃ |
湧出量 | – |
pH値 | 9.23 |
色 | 無色透明 |
におい | (無味)無臭 |
(温泉分析書より)
沓掛温泉 叶屋旅館 宿泊
宿について
宿周辺は、公共浴場の「小倉乃湯」や、「足湯」があります。

https://skima-shinshu.com/kutsukake-oguranoyu
こちらが小倉乃湯(写真お借りしました)

こちらが足湯です。
足湯というか、洗い場?のような感じもします。

そしてこちらが「叶屋旅館」。
白を基調とした建物になってます。
ちなみに、食事についてはこの宿では行っておらず、
隣の「味処千楽」さんにてお邪魔しました。
(お店で食べる食事つきのプランをお願いしてました)

こちらですね。道が凍ってて滑りやすかったです・・。
さて、宿の中には若いご夫婦が受付されておりました。
なんでも旦那さんがけがの治療のため訪れた沓掛温泉が素晴らしく、
こちらでちょうど宿を手放す話が合ったそうで、
そのタイミングでリフォームし宿を受け継ぐことになったそう。
それほど沓掛温泉に惹かれて宿を経営されるようになったということで、
受け継がれたことも素晴らしいですし、
それだけ温泉に魅力があるのかもしれませんね。
(ご夫婦についての詳細はこちらに掲載されておりました)
今回案内されたのは「薬師」のお部屋でした。


https://www.kanouya-inn.com/room_list.html
公式HPより。
こじんまりとはしてますが、ゆっくりするのには十分です。
(お部屋は全5室のみ)
部屋にトイレはないのですが、
部屋ごとに共同のトイレがあるため、
誰かと被る心配はないです。
また、「昔ながらの湯治宿を自分たちでリフォームした素泊まり専用のセルフサービスが基本の宿」
というコンセプトのため、
お布団もセルフで敷くシステムになってます。
逆に言えばコロナの時代としてはとても安心できます。
リフォームされていることもあり、お部屋はきれいでした。
※バスタオルと浴衣は別料金になるそうなので注意
温泉
温泉は貸切風呂が2か所あり、
空いていればいつでも入れるシステム。
どちらも小さいのですが、
この温泉の特徴としてぬる湯ということが挙げられますので、
小さな浴槽にゆっくりと浸かるという意味では最適です。

こちらが一つ目の浴槽。

もう一つがこちら。
ほぼ見た目は一緒で、サイズも同じぐらいでした。
ピンクのタイルがまたレトロな雰囲気を醸し出してますね。
さっそく入ってみると、うん、ぬるーい。
だがこれがいい。
体感温度でいうと37、8℃ぐらいかな。
源泉の温度が35℃ぐらいと書いてあったので、
加温はしているようです。
[※沓掛温泉は1~3号泉の混合泉で、1号泉は35℃、3号泉は39℃あり、(2号泉はちょっとわからなかった・・)それらを混合させることで人肌ぐらいの温度になるんだとか。ただ冬はそれだと寒いので加温しているそうです]
(宿の方からTwitterで補足をいただきました、ありがとうございます)
しかし人肌に近い温度というのは心地よい。
すこーしずつ体が温まっていく感じ。
これがリラックスできます。
お湯もpH値が高いからか、やわらかい感じ。
そしてよくにおいをかぐと、ほんのり硫黄っぽい香りが。
これがまたお気に入り。
沓掛温泉の近くに、田沢温泉というところがあるのですが、
そこも似たような香りがするのです。
そこもぬる湯で素晴らしいのですが、こちらも素晴らしい。
ほんのり香る温泉と、体に優しいぬる湯でいくらでも入っていられます。
至福の時というやつです。
本当に気持ち良いので、ぜひ長く浸かっちゃってください。
入浴時間は15:00~22:00と、7:00~10:00までです。
食事
食事は隣の「味処千楽」さんにて。
今回は天ぷら定食をいただきました。

まずはお通し?で軽くいきます。
流石居酒屋なので、こういった軽めのメニューも美味しい。

メインの天ぷらがこちら。
出来立てをいただけますのでホッカホカです。
カリッとした触感もまたよし。

頼んだ定食以外にももちろん頼めました。
焼き鳥はその場で焼いてくれるので、これまた出来立てです。
居酒屋的に、おいしそうなメニューを頼めるのが素敵。
また、カウンターの女性もとても素敵な方で、
非常に楽しく過ごせました。
ルービーを飲みながらゆっくり過ごしてみてほしいものです。

こちらは朝食。
シンプルなメニューながらも美味しい。
個人的に気に入ったのはお漬物。
ちょうどよい塩梅でご飯に合うんですよねぇ。
寒かったですが、ストーブもきちんと用意してくれて、
お部屋の中はあったかし。
ありがとうございました。
まとめ
いかがだったでしょうか。
貸切で空いてればいつでも入れる、
そしてぬる湯で長く浸かっていられる温泉。
居酒屋の方ができたてを出してくれる温かな料理。
周りは静かでゆっくり過ごせる宿。
素晴らしいじゃないですか。
またご主人が気に入られて受け継がれたエピソードも素敵でした。
そして、宿泊した際は2食付きで一人8200円ほどでした。(2020年当時)
こんなリーズナブルでゆっくりできる宿はなかなかないですね。
ここであれば一日にとどまらず何泊もしたくなりそうです。
宿の方も惚れて住まわれたという、
その温泉をぜひ体感してみてください。