今回は岩手の山奥にある秘湯、「夏油温泉」(げとうおんせん)についてです。
夏油温泉(げとうおんせん)は岩手県北上市(旧国陸奥国、明治以降は陸中国)にある温泉。北上市西部、焼石岳中腹の渓谷にある。
交通の不便さから秘湯のひとつに挙げられる場合が多い。
発見は850年以上前。開湯伝説によれば、平家の落人の末裔、高橋四郎左衛門が巨大な白猿と戦った翌年、その猿が気になって山中深く入った際に、温泉で傷を癒している姿を見て発見したとされる。
‘ゲトウ”という名前については、アイヌ語の「グット・オ」(崖のあるところ)からきており、冬は豪雪のため利用できなくなるところから、「夏湯(げとう)」と言われ、お湯が夏の日差しでユラユラと油のように見えたので、後に「湯」が「油」になったと伝えれています。
(Wikipedia・夏油温泉HPより)
車で行くにも、山道を1時間ほど走り続けないとたどり着けない、
かなりの秘湯だと思います。
開湯も850年以上も前ということで、長い歴史があるようですね。
夏油温泉は2軒の宿がありますが、
「夏油温泉観光ホテル」に宿泊しました。
極上の温泉と料理を満喫でき、自然の美しさも味わえる宿です。
※2025年4月現在、臨時休業中です
夏油温泉観光ホテル
住所 | 〒024-0322 岩手県北上市和賀町岩崎新田8-7 |
TEL | 090-3367-4000 |
公式HP | 夏油温泉観光ホテル【公式ホームページ】 |
※浴槽ごとに成分が異なるので各温泉(浴槽)にて記載します
夏油温泉観光ホテル 宿泊
宿について
例のごとく車で行きました。関東から向かう場合は東北自動車道から「北上金ヶ崎PA」で降りた後は、ひたすら左へ行くのですが、そこからが長い・・。
比較的狭い山道を1時間ぐらいかけていきます。
運転苦手な方はしんどいかもしれません。
しかしそれを乗り越えると、素晴らしい景色が。


いやはや、素晴らしい紅葉です。
季節は10月の下旬。まさにこの時しかない季節でしょうかね。
運転の途中でもきれいな景色はありましたが、
たどり着いたのも合わさってすごいすがすがしさでした。

今回の観光ホテルはこちら。
小さい橋を車で渡って駐車できます。

階段の写真。
ホテル内は結構長い歴史があるのか、
古さは感じましたが個人的には問題なかったかな。

http://www.youihome.co.jp/geto/room.html公式HPより
お部屋は和室の8畳。広さは十分でしたね。
プランやお部屋によってはトイレが共用のところもあるそうですが、今回はトイレもありのお部屋。
テレビもあって、冷蔵庫もあったかな。
そこそこ清潔にしてあった、ストレスはなかったかなと思います。
ちょうど駐車場も見えて見晴らしの良い部屋でした。
温泉
温泉は、大きく
2つの部屋にそれぞれある内湯
通常の露天風呂
貸切船用の露天風呂
があります。
大きな部屋の内湯は男女交代制で、時間帯によってはどっちにも入ることができます。
まずは異なる泉質をまとめます。
源泉は3つあるそうです。
■白猿の湯
源泉名 | 白猿の湯 |
泉質 | カルシウム・ナトリウム-硫酸塩泉(低張性中性高温泉) |
源泉温度 | 62.3℃ |
湧出量 | 170L/min(堀さく自噴) |
pH値 | 7.2 |
色 | 無色透明 |
におい | 微硫化水素臭 |
■蛇の湯
源泉名 | 蛇の湯 |
泉質 | 含弱放射能-カルシウム・ナトリウム-塩化物泉(低張性中性高温泉) |
源泉温度 | 66.5℃ |
湧出量 | 23L/min(自然湧出) |
pH値 | 6.5 |
色 | 無色透明 |
におい | ほとんど無臭 |
■新太郎の湯
源泉名 | 新太郎の湯 |
泉質 | カルシウム・ナトリウム-硫酸塩泉(低張性中性高温泉) |
源泉温度 | 45.3℃ |
湧出量 | 測定不能(自然湧出) |
pH値 | 6.7 |
色 | 無色透明 |
におい | 微硫化水素臭 |
(温泉分析書より)
内湯その1
それでは一つ目の部屋を見てみましょう。

こちらが内湯のうち一つ目の部屋。3つの浴槽があります。

奥が「白猿の湯」。

全体写真だと見えませんが、白猿の湯の手前に丸い浴槽が。
「金運の湯」と読むのかな。
こちらは一人用の大きさですね。

湯口にはこんなぶつぶつの成分が。
こちらでは「石灰華」と呼んでるらしいですね。
温泉中に含まれる炭酸カルシウムが、地表に湧き出る際の急激な圧力と泉温の下降により、岩肌に付着したものである。
らしいです。
ここまですさまじいのはかなり珍しいんじゃないでしょうかね。(ハリネズミのようで痛そう・・)
成分の濃さが分かりますね。

さらに手前に小さめの浴槽が。
「長寿の湯」と読めますかね。

こっちの湯口にも「石灰華」が。
これ触れてみると本当ごつごつしてるんですよ。
成分が濃い+長年かけてできたものなのでしょう。
一番奥の白猿の湯以外は、源泉がどれなのか不明でした。
こちらの部屋の温泉、全体的に熱めだったかな。
いろいろ浴槽があって、目移りしてあんまりゆっくり満喫できなかったってのもありますが(汗
内湯その2

じゃーん!いい雰囲気の内湯「その2」。
個人的にはこっちの温泉が最高でした。
(入った時間帯もありましたが・・こっちは朝に入れました)
奥のほうが「蛇の湯」。
手前が「新太郎の湯」です。
正直そこまで入った感じの違いは分からなかったかな。
しかし時間帯とかもあるのでしょうが、
温度が絶妙。特に奥の蛇の湯がちょうどよかった。
40℃ぐらいかな。

外を見ると美しい紅葉の黄色が。心が洗われますなぁ。

新太郎の湯の湯口。
先っぽだけじゃなくて手前も「石灰華」が。
ほんとうにすごい。芸術性すら感じますね。
男女別露天風呂
続いては露天風呂。

こちらの源泉は「白猿の湯」。
うほ、なんて景色でしょう・・。これはやばいです。
こんな景色を、しかも独り占めできました。
たまりませんよ、こりゃあ。温度もちょうどよい。
タイミングが良ければこんな素晴らしい景色を拝みながら温泉に浸かることができます。ありがたやでしたね。
本当に時よ止まってくれと思いましたもんね。
貸切露天風呂
最後は貸切露天風呂です。
ここへはあらかじめ予約をしておかないといけません。
しかも当時は時間制限が30分。み、短すぎる・・。
宿から結構離れたところにあって、しかも歩きで行かなければなりません。
それを含めると実質20分ぐらいしか入れないので、もうちょっと長くしてほしいですね。

たどり着きました。ここの温泉は「新太郎の湯」です。
こっちも紅葉が見事でした。

うん、水面に紅葉が映りこんで最高の景色です。
完全露天風呂なので温度はぬるめ。手前側の岩の隙間より温泉が湧いていました。
そこらへんは熱いのでやけどに注意です。
料理
料理は料理長お手製の絶品料理です。
これがまた本当に手作りでおいしいんだ。
まずは夕食から。

バラエティ豊かな料理が届いてまいります。
特にカルパッチョは刺身とサラダたっぷり。
贅沢な一品です。
他にもキノコなど地元でとれたであろう食材を絶妙な味付けで美味しくいただけます。

ボリュームたっぷりの天ぷらも抹茶塩で美味しく。
この特性スープも味付けがちょうどいい。
とにかくどれも味付けがいい。
そして量も多いので食べきれないぐらいでした。
続いて朝食、と言いたいところなんですが、写真忘れた・・。
すみません。
ちなみに料理長のお姿が、

こちらのかた。
すんません、歪んじゃって顔が良く見えませんが(笑
熟練の技は伊達じゃないと思いますね。
また、宿とは別でランチもやってるのですが、
これも同じ料理長が作ってくれます。

焼肉丼がマジでうまかったなぁ。
料理長は末永く活躍することを願っております。
まとめ
以上、「夏油温泉観光ホテル」いかがでしたでしょうか。
秘湯でしか味わえない温泉。
そして季節を選べば、今回のように絶景の紅葉を眺めながらの温泉もできます。
さらに料理長渾身の料理も味わえます。
素晴らしいじゃないですか。
そして今回のプランでのお値段は 11,880円。(2020年当時)
正直かなりリーズナブルに感じました。
温泉と料理がよくて、必要十分なお部屋でしたしね。
なかなかいくまでの道のりは遠いかもしれませんが、
それに見合ったものを味わうことができるでしょう。
一度入ってみてほしい宿です。
ちなみに、
夏油温泉観光ホテルは現在冬季の休館中ですが、令和6年度は従業員の確保が困難なことから、引き続き休館することといたします。(公式HPより)
ということで、現在臨時休業中になっているため利用することができないそう
正直非常に素晴らしい宿だったので残念の一言です・・。またいつか復活することを願っています。