こんにちは、euでございます。
今回は長野県の白骨温泉に佇むお宿の紹介です。
白骨温泉について
戦国時代には武田信玄によって乗鞍岳のふもとに銀山が開発されて、負傷した兵士や鉱山の炭鉱夫たちを癒す「隠し湯」として愛用したともいいます。
本格的な湯宿が建ち並びはじめたのは、江戸の元禄時代(1688-1703)。連泊しながら病気やケガを治そうと湯治客が訪れました。元来、歓楽のためにつくられた温泉地ではなく、霊泉あらたかな温泉地であり、秘湯として深い山々に守られてきた白骨温泉。病気やケガを治したい一心で訪れる方々ばかりです。 「3日入れば、3年風邪をひかない」という白骨温泉の言葉からは、当時のお客様の本心が聞えてくるような気がします。
このように戦国時代より長きにわたり愛されてきた温泉であることが分かります。
その温泉宿の中でもひときわ山奥、つり橋の奥に佇むのが「山水観 湯川荘」さん。
今回はこちらの宿に宿泊してきました。
複数の貸切露天風呂が開いていればいつでも利用可能。
そして山奥の自然に身をゆだねながら入る乳白色の温泉。
日ごと感じるストレスを忘れさせてくれる素敵な宿でございます。
白骨温泉 湯川荘
住所 | 〒390-1515 長野県長野県 松本市安曇白骨温泉4196 |
TEL | 0263932226 |
日帰り | なし |
営業時間 | – |
公式HP | 白骨温泉 つり橋の宿 山水観 湯川荘|乳白色の温泉 無料利用できる貸切露天風呂の温泉旅館 |
■温泉をまとめた動画はこちら
白骨温泉 湯川荘 宿泊記録
宿について
温泉宿は松本市の中心から北アルプス川へ上ったところにあります。
最寄りの高速道路ICは「松本」から降りてひたすら山側へ走らせたところです。
白骨温泉の中でもはずれにあり、道からかなり下ってつり橋を渡った離れの宿です。

大きなつり橋がこちら。
季節は12月。行きはここまで積もっていませんでしたが、帰りの写真ではご覧のように地面が一面真っ白。ある意味恐ろしいところです。

帰宅時はご覧のようなダイヤモンドダストを見ることができました。美しかった・・。
ちなみに帰る際に下ってきた道を上る必要があったのですが、夜中降り積もった雪により車が途中でスタック。
えらい絶望的な気持ちになりましたが、宿の方が駆けつけてくださりなんとか無事脱出することができました。
今でも感謝でいっぱいでございます、本当にありがとうございました<m(__)m>
一応スタッドレスタイヤでしたが2輪駆動なのがいけなかったのか・・・車で雪の季節に行く際は、スタッドレス+4WDの車で行った方が無難かもしれないです。
マジでお気を付けください(汗

宿の外観はこんな感じ。

周りには自然しかなく、非常に静かなところです。

宿の中も非常にモダンでオシャレな雰囲気。
続いてはお部屋について。

シンプルな8帖の和室。すでに布団が敷いてあり、お昼寝もできちゃうのはありがたい。

窓からの眺めも良好。近くに宿がないので開けた景色を望めます。

右手には帰る際に登る道も見えますね。結構下るんですよ・・(そのおかげでスタック 笑)
遠くにはほかの宿も少し見えますね。

部屋には冷蔵庫があります。


暖房はスイッチで温かさを切り替えられます。

洗面所。

トイレもついてます。

お部屋にあるお菓子は塩ようかん。
これがまた上品なお味で美味でした。
ちなみにこのお部屋にはテレビがありませんでした。
HPを見てみると、2023年10月よりゆったりしてもらうためにあえてなくしているそう。
テレビがリアルタイムで見たい!と考えている方はご注意ください。
またエアコンもなさそうでした。夏場でも涼しいとのことで必要がないようです。
温泉について
それではいよいよメインの温泉です。
分析書が3つほどあり、それぞれの浴槽で使い分けてるっぽいですが把握できなかったので、まずはその内容を紹介します。
■大石一号源泉
源泉名 | 大石一号源泉 |
泉質 | 含硫黄ーカルシウム·マグネシウム·ナトリウムー 炭酸水素塩温泉(低張性中性高温泉) |
源泉温度 | 49.3℃ |
湧出量 | 35.7 L/min(自然湧出) |
pH値 | 6.5 |
色 | ほとんど無色澄明 |
味・におい | 硫黄味·炭酸味·強硫化水素臭を有す。 |
■蛇穴源泉
源泉名 | 蛇穴源泉 |
泉質 | 含硫黄ーカルシウム·マグネシウム·ナトリウムー炭酸水素塩温泉(低張性中性高温泉) |
源泉温度 | 47.1 °C |
湧出量 | 32.2 L/min (掘削による自噴) |
pH値 | 6.4 |
色 | ほとんど無色澄明 |
味・におい | 硫黄味·炭酸味、強硫化水素臭を有す。 |
(温泉分析書より)
これプラス上記の2つの源泉の混合泉があり、それで合計3つになります。
どの浴槽にどの源泉を使用しているのか、ご存じの方いらっしゃったら是非教えてください!
ちなみに余談なんですが、白骨温泉にはたくさんの源泉があるようで、温度もまちまち。
上記のリンク先が環境省が出してる温泉のデータで見ることができます。
熱めが好きとかぬるめが好きとか、源泉の温度で宿を選んでも面白いかもしれないですね。
さて、湯川荘の温泉は
浴槽は内湯が1つ
貸切風呂が1つ
貸切露天風呂が3つ(5月中旬~10月中旬まで限定のが1つ)
あります。
ちなみに

ご覧のように木の湯船は析出物の付着により日々成長しているそう。
長年かけて形成された天然の浴槽というわけですね。それも堪能しながら見ていきましょう。
内湯
まずは内湯から。

脱衣所がこちら。畳張りで水分を吸収してくれるのがありがたい作り。
人がたくさん訪れると床がべちゃっとして気持ち悪いことが結構あるんですけど、これならそのストレスも少なくて済みますね。

先ほどもありましたが、湯船に析出物が積もって美しい浴槽が作られています。
木の周りをすべて覆ってしまうほどのコーティング力。温泉の力には驚かされます。

こちらがその内湯。見事な浴槽です。

あふれんばかりに温泉が満ちており、そして長年かけて形成された白い浴槽。
まさに白骨温泉という言葉にふさわしい作りでした。

もういろんな角度から見入ってました(笑
左手から源泉が流れており、右が少しぬるめになっています。交互浴最高でございます。

湯口の上の岩?にも塩のように析出物がついていました。

左右で色も微妙に異なっておりました。しかしこの白い析出物はやっぱすんごいです。
1968年から使い続けている「木製の湯船」だそうで、50年以上の月日をかけているということになります。
温泉はほんのり白く濁った硫黄泉。
pHが6.4~6.5ほどなので、肌にも優しい硫黄泉です。
源泉側の浴槽は熱かったですけど、もう一つの方はゆっくり入れる温度になっており、最高でしたね。

洗い場は2か所のみ。こちらの床もえらい凸凹しててすんげーってなりました。
ちょっと痛かったぐらいに凸凹してましたね(汗

主にぬるめの右側の湯にずっと入っておりました・・・。
貸切風呂[内湯]
続いては内湯の貸切風呂。

見た通りかなり小さいです。
おそらく入れるのは一人ほどになるかなと。その分新鮮なお湯を独り占めできるのがいいです。

こちらの浴槽も内湯と同じ時期に作られたものだそう。
やはり析出物の芸術が見られます。

湯口の周りも析出物が形成されてます。ドームのように膨らんでるように見えますね。すごいわ。
貸切露天風呂
最後に貸切の露天風呂。
個人的にお勧めなのはやはりロケーションもいい露天風呂です。
本来は3つありますが、訪れた12月は一つがしまっており、2つの露天風呂を楽しみました。

まずは一番見晴らしの良い「貸切露天風呂 ほお」です。
かなり大きな浴槽で、貸切にはもったいないサイズ。
いやぁ、贅沢でございます。

全体的に白っぽく濁ってましたが、表面には湯の花が浮いてました。

湯口も控えめな湯量が流れており、ぬるめに設定されておりました。
かなりでかい浴槽なので、場所によってさらにぬるくてずっと入っていたくなる湯温でした。
というか12月を考えるとちょっと寒いぐらいで(笑
38℃ぐらいかな?
ぬる湯が好きじゃない人にとってはあったまらなくていやかもしれないです。

ちなみに翌朝の景色がこちら。
雪が夜積もって前日とは異なる世界が開けました。
木々にも雪が積もってまぁ美しい銀世界。雪見風呂ってやっぱりいいもんです。

続いてはもう一つの貸切、「貸切露天風呂 うりが」。
こっちは露天風呂ですが天井に屋根があり、なおかつ小さめ。
ロケーションは「ほお」の方に軍配ですが、その分鮮度の良い温泉が流れます。

湯口からのお湯も程よい量。
温度は40~41℃ほどだった気がしますが、温まるにはちょうどいい温度。
外気がかなり冷え込んでたので気持ちよかったですね。
食事について
続いてはお食事について。
こちらの名物が、「温泉水+ブラウンスイス牛の牛乳+信州味噌」で作った「乳白色鍋」になります。

温泉も含まれたまろやかなお味。

新鮮なお肉でいただきます。


煮物、酢の物とさっぱりとした前菜類も食欲を増進します。

信州サーモンはやわらかくて非常に美味でした。

蕎麦で作られたまんじゅう。あんがかかっておりトロっとしてクリーミー。
これまた非常に美味でしたね。

天ぷらもサクサクで作り立てをいただけます。岩魚の天ぷらがとくにいいですね。
地のものを使ってくれるのが何よりの魅力です。


ご飯と漬物。漬物って正直あんま好きじゃないんですけど、こちらの漬物はご飯との相性がよく食べられましたね。

締めは信州のリンゴ。長野県のデザートは大体リンゴです(笑
そして朝食。

オシャレに盛り付けられた品々。
特に鮭がおいしかったかな。ジューシーであったかかった。


卵は温泉卵でこれまたうまいですよね。

そしてこちらも名物の温泉粥。まさに朝食べるのに適しているさらっとしたおかゆ。
やはり温泉を使っていいるからなのか?すんげーうまかった。
もう一杯もらいたかったぐらいでした。


ごはんとお味噌汁の黄金コンビももちろん温かくておいしい。
おかずは全体的に量は多くないんですけど、朝ごはんってこれくらいシンプルでもいいんですよ。
最小限のおかずとご飯があればもうね。幸せでございます。
以上、白骨温泉 「湯川荘」でした!
なんといっても魅力は白骨温泉。
長年かけて形成された浴槽は本当に芸術的で、見る楽しみもあります。
そしていつでも入れる貸切露天風呂。
新鮮な乳白色の温泉に入り放題。
人気のない静寂の中で思う存分時間を過ごすことができます。
一番リーズナブルなプランでも22,000円からと、値段は高めのお宿ですが、記念日、誕生日など特別な日にぜひ行ってみてほしいです。
ゆっくりするのが何よりの贅沢ですからね。