秋田県の温泉旅、今回訪れたのは乳頭温泉郷「鶴の湯」。
鶴の湯といえば、昔ながらの茅葺屋根があったり、大きな混浴露天風呂、郷土料理であるいも鍋など、温泉好きでおそらく知らない人はいないであろう有名なお宿。



2022年に訪れたときの写真です。
これを見ただけでよだれ物というか、素晴らしいところであるというのは感じてもらえると思います。
実際何度も足を運んでいて、季節ごとに景色も変わるのでそれもまた魅力。
このように何度も訪れている鶴の湯ですが、今回は別館の「山の宿」に初めてお邪魔してきました。
こちらは本館の方と異なり、日帰り入浴もやっていません。
そして場所も離れているため、かなり静かでゆっくりするにはこちらが最適だと思います。(ちなみに定期的に本館へのバスがでており、本館の温泉にも入ることができます)
ここでしか味わえない3つの貸切風呂と、囲炉裏でいただく山の料理、人気のない静かな施設、など日々忙しい生活をしていてストレスを抱えている人はぜひ一度訪れてほしいお宿です。
今回はそれらを余すことなく紹介していきます。
乳頭温泉郷 鶴の湯別館 山の宿
住所 | 〒014-1201 秋田県仙北市田沢湖生保内字 湯ノ岱1 |
TEL | 0187-46-2100 |
日帰り | なし |
営業時間 | – |
公式HP | 秋田の秘湯、乳頭温泉郷の鶴の湯温泉 別館山の宿 |
■温泉データ
源泉名 | 白湯(鶴の湯本館から引湯) |
泉質 | 塩化物泉、硫黄泉含硫黄ーナトリウム·カルシウムー塩化物·炭酸水素塩温泉(硫化水素型) |
源泉温度 | 59.7℃ 使用位置:42℃ |
湧出量 | – |
pH値 | 6.5 |
色 | 乳白色 |
味・におい | 硫黄臭 |
(温泉分析書より)+主観あり
乳頭温泉郷 鶴の湯別館 山の宿 宿泊記録
宿について
乳頭温泉郷は現在7か所あるのですが、鶴の湯はその他の温泉郷とは離れた位置にあります。
車で南の方角から向かう場合、県道149号を北上し登っていくと看板が出てきます。

https://4travel.jp/travelogue/11638165より引用
こちらの看板ですね。ここを左に行くと細めの山道が続きます。
しばらく行ったところに「山の宿」の看板があり、そこを右に曲がると目的地になります。
そこまで狭くはないですが、運転慣れしてない人は大変かも。道中はお気を付けください。

そして到着!
駐車場ははっきり決まってないようなので、写真撮影場所のスペースに停めちゃってもいいかなと思います。
他にもスペースがあるのでどこかしら停められるでしょう。

本館のような屋根の建物も見えました。
ちなみにこの山の宿がオープンしたのが1994年だそうで、歴史としてはそこまで長くないんですね。
しかしいい意味でそう感じない大自然とマッチした建物はこれまた美しいです。

いやぁ、すごいです。時間をかけて建てたのだろうなと思わせる作り。

入り口はこちら。階段は木で作られており雰囲気たっぷり。

館内には秘湯を守る会のちょうちんが。もはやおなじみですね。

美しく長い廊下。こういったところを歩くだけでも雰囲気を感じられていいものです。

喫煙所もありました。私は吸わないですが、喫煙者にも優しい作りです。
今回のお部屋はこの喫煙所の近くでした。部屋から出るとちょっと臭いが気になりましたね。

お部屋がこちら。ちなみに本館同様にテレビはありません。
広さは十分でしたね。きれいに掃除もされている印象でした。


窓際には外を眺められる椅子と、掘りごたつがありました。

こたつは最初なんでこの位置?と思って使わなかったのですが、最後に確認したら床がなかったので「だからここに置いてあるのか」と納得することに。
冬なんかは堀こたつが活躍しそうですね。

冷蔵庫はありましたので、あったかい季節でも冷たい飲み物が飲めるでしょう。
また自販機もあったので飲み物に関しては問題なさそうです。

おくにはお風呂場も。まぁ貸切風呂があるので使いませんでしたけどね。

暖房はこちら。ただしあんまり温まりは良くなかったです。
また冷房は公式でも記載がありましたがないようです。夏は流石にここも暑いかもしれないです。

お部屋用のトイレもありました。きれいでした。

そして置いてあった和菓子が鶴の湯まんじゅう、通称「つるまん」。
これがめちゃくちゃうまいんですよ!
まんじゅうの生地には秋田県田沢湖産の天然の山芋を使用しており、ほどよいモチモチ感があります。
そしてあんこは甘さ控えめのこしあん。こしあん大好きなので、もう最高でした。
お土産に購入もできるので、ぜひ気に入ったら買っていってほしいと思います。
温泉について[3つの貸切風呂]
それではメインの温泉に参りましょう。

2025年5月現在、貸切風呂は3つあります。(前は4つあったようですが今は閉鎖されてます)
ご覧のように貸切風呂のお札があります。
札には鍵もついているので、それを持っていき鍵をかけられます。
温泉は15:00~翌日11:00までで、営業中はほとんど24時間入れます。最高ですね。


ちなみにお札の近くにはくつろげる小部屋があり、冷たい水も用意されてました。
お風呂上りはこちらでゆっくりくつろぐのも一興です。
貸切は内湯×2 / 露天風呂1となってます。
2つの内湯
内湯の一つから見ていきましょう。

どーん。美しい・・。光に当たったスカイブルー色の温泉。
そしてたえずオーバーフローし続けるお湯。

もう一つがこちら。左右対称の作りになってるのかな。なんにせよ美しいです。

洗い場は2か所あります。

ボディソープ、シャンプー、リンスはくまざさシリーズ。
結構使いやすくてなかなか気に入ってます。
さて、こちらの温泉ですがこの季節はぬるめになってしまうらしく、入り口にもそのような記載がありました。
しかしこの温度こそ至高。このぬる湯だからこそいいんです。
季節は4月の終わりごろ。絶妙な温度になっており、ただただ感謝でございます。
たぶんもっと温かい季節だとこの温度は味わえないのでしょう。
38、39℃ぐらいかな。マジでめちゃくちゃいい!

白い湯の膜がはっておりました。美しい。ただただ(笑

乳白色ですが、ほんのり青っぽく見えるのがビューティフル。

湯口からとめどなく流れる温泉。
硫黄泉なんですけど、pHが6.5ほどなので肌への刺激は少なめ。
それゆえ硫黄の香りを楽しみつつもゆったりまったり入ることができます。
本当に温泉に身を任せていると寝ちゃいそうになりますね、これは。
ぬる湯の醍醐味でございます。
露天風呂
続いては1つしかない貸切露天風呂。


こちらは岩風呂ですね。これまたほんのり青い温泉がきれいでした。

湯口は一番奥の管から出ています。
こちらはちょうど涼しい外気に触れながら温泉に入ることができるのが魅力。
そして温度もぬるめで同じく最高でした。
朝には小鳥たちのさえずりを聞きながらゆっくり入りました。
爽やかな最高の朝でしたねぇ。新鮮な空気を体で感じながらその時間を満喫しました。
食事について
続いては食事について。
温泉と同じぐらい魅力のある料理。まずは夕食から参りましょう。

夕食、朝食ともにいろりを囲んでいただきます。雰囲気たっぷりの中いただけます。

お品書きはご覧の通り。食べきれないほどの量でした。

食前酒の甘酒。温かい囲炉裏に座りながらいただく甘酒がまた一味美味しい。

そして山の宿ならではの山菜料理。これがなんだかんだで一番うまいんだ。
こごみなんてのはこういったところでしか食べられない一品でしょうからね。

秘湯ビールなんてのもいただいちゃいます。

ヤマメの塩焼き。すでにある程度焼いてはありましたが、囲炉裏にたてておくことで温かさも保ちつつ食べることができました。

続いては炙りもの。
豚肉、ソーセージ、シイタケなどを囲炉裏の上の網でじかに焼いていきます。

そのままだと味がないので、塩魚汁たれというものをしっかり浸してから入れましょう。
特にソーセージが美味でしたね。焼きたてを食べられるのはまさにここならでは。
自分で焼いて食べることでこれまた普段と違う味わいが生まれるものです。

ニジマスの炙り刺身。もう普通にうまい(笑

これまた山菜を贅沢に使った天ぷら。
たらの芽、こしあぶら、こごみと山菜を代表するメンバーが出そろってます。
シンプルに塩でいただくのがこれまた格別のうまさ。
山菜の天ぷらってなんでこんなにうまいんやろ・・・。作った人天才ですわ。

そして鶴の湯名物「いも鍋」!
山芋が練られたお団子とお出汁がまぁうまいったらない。
せりのシャキシャキ感と山芋のもっちり感が融合して最高の歯ごたえを生み出します。
そのほかにもキノコ類やお味噌のうまみがふんだんに入ったスープがこれまたうまい。
おなか一杯になってくる頃なのに食べたくなっちゃう不思議。
一度は必ず食べてほしい一品です。


最後のお口直しまで味わえる素晴らしい夕食でした。
朝食も同じく囲炉裏でいただきます。

朝から囲炉裏で温まれます。

朝食は比較的シンプルなメニュー。

お魚の開きは例によって網で焼いていただけます。香りも楽しめました。

締めのお味噌汁、お豆腐。

納豆と卵はご飯に投入して納豆卵ごはん!まずいわけがないでしょう。
最後まで楽しめました。
以上、乳頭温泉郷「鶴の湯別館 山の宿」でした!
3つの貸切風呂
いろりを囲んだ山の宿ならではの食事
自然の中静かな時間を過ごせる環境
とここでしか味わえない魅力がたくさんつまったお宿です。
また本館の温泉も入れるためかなりお得な宿でもあるかなと思います。
普段本館の利用が多かったので今回はこちらの温泉のみでしたが、初めての方は両方行ってみてもいいでしょう。
いずれにせよ普段ない環境でゆっくりできるのが魅力のお宿、ぜひ足を運んでみてください!