東山温泉「向瀧」宿泊|登録有形文化財の建物とおもてなしの極上宿

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日本の旅館といえば、美しい木造の建物や、広々とした中庭など、今ではなかなか作るのが難しい景色を思い描くと思います。

そんな美しい風景を望むことのできる宿、それが福島県の東山温泉、「向瀧」です。

向瀧はこんな宿

  • 1873に創業、平成8年(1996)国の登録有形文化財第一号に指定
  • 複数の家族風呂をを含めた温泉はすべて源泉かけ流し
  • 会津の郷土料理を味わえる

私も一度泊まってみたかった憧れの宿!

特に歴史ある温泉旅館の持つ美しい建物、館内は一度はみて欲しい宿です。

その美しさを写真を交えながら紹介していきます。

(2022年6月に訪れたときの記事です)

福島県 東山温泉「向瀧」

住所〒965-0814
福島県会津若松市東山町大字湯本川向200
TEL0242277501
公式HP【会津東山温泉 向瀧】公式HP 福島 会津若松 東山温泉の人気隠れ家 国登録文化財のレトロな正統派老舗旅館
日帰り入浴不可
チェックイン
チェックアウト
15:00〜
〜10:00
クレジットカードの利用可能(VISA/JCB/American Express/Diner’s Club/UC/DC/Master Card)

川沿いに佇む重厚な宿

宿は会津若松市のシンボルである「会津若松城」から少し外れたところにあります。

東山温泉はいくつか宿が点在していますが、とても静かな場所。

向瀧は温泉地に流れる「湯川」に沿ってひときわ存在感を放ち佇んでいます。

川沿いに佇む「向瀧」の建物全体

見えてきました、カメラに収まりきらないほどの大きさ!

金色の「向瀧」の文字が印象的な建物

黄金の「向瀧」の文字と横長の建物が美しい・・・。長年積み重ねてきた貫禄のようなものも感じます。「千と千尋の神隠し」にも出てきそうな雰囲気を感じましたね。

夜には一段と美しい向瀧の建物

ちなみに夜のライトアップされた宿も美しかったです。どの時間帯も絵になるなぁ。

荘厳な向瀧正面

入り口も立派!ちょっと緊張感があるほどの荘厳さでした(笑

ゴージャスな入り口

内から見た入り口も立派!ゴージャスな雰囲気漂います。

「これぞ日本」の美しい庭園

そして館内もかなり広くて、歩いているだけで昔へタイムリープしたような気持ちにさせてくれる景色。

中庭を望める長い廊下

とても長い廊下からは中庭が見えます。いやぁ、すんごい・・。

これぞ日本庭園の中庭

こちらが中庭。なんとも広くてこれぞ日本庭園といった趣。

中庭の池には鯉が住む

鯉が優雅に泳いでおりました。なんとゴージャスなのでしょうか。普通の宿じゃ見られない光景です。

なんというかもう圧倒されっぱなしで(笑

「はぁ・・」とか「すご・・」という言葉しか出なかったです。

山や海などの自然の景色も美しいですが、人が作り出した造形の美しさも本当に素晴らしいですね。

この宿を作られた方々や今の時代まで紡いでくださった方々に、

心から尊敬の念と感謝を伝えたいと思いました。

ピカピカに磨かれた階段

部屋へは階段をいくつか登っていくのですが、階段もまた良い。

古さは感じるんですけど、すごくピカピカで手入れをきちんとされているのが伝わりました。

いやぁ、いちいち歩くたびに感動してましたね(笑

「お部屋」家族風呂付の豪華な和室

トイレ部屋付き
冷蔵庫なし
エアコンあり
Wi-Fiあり
テレビあり
タオル・浴衣あり
松の間への入り口

今回泊まったのは「松の間」。

松の間の部屋

いやぁ、これまた美しかった!日本旅館の美しさがこれでもかと体現されたお部屋でした。

掛け軸のある床の間

掛け軸のある床の間もあり、伝統的な趣。

大きなスペースの広縁

広縁もかなり大きくてゆっくりできるスペースがあります。ここに腰かければ貴族のような気持ちになれる‥気がする(笑

幅が広い広縁

なんというかすごい贅沢な気持ちになります。気分が高揚しっぱなし!

部屋が豪華すぎて逆に落ち着かなかったぐらいです(笑

トイレと客室風呂の扉

広縁の奥にはトイレと、なんと客室風呂もあります。

数部屋しかない客室風呂

こちらですね。全部屋あるわけではないのでラッキーでした。

(客室風呂については後ほど詳しくお伝えします)

お部屋にはテレビがあり、エアコンも完備。

高級感あふれる足袋

浴衣、タオルのほかに足袋もついてきました。旅の思い出にもなりますね。

上品な抹茶とようかん

ほどなくして濃ゆい抹茶とようかんを用意していただきました。

流石、おもてなしが素晴らしい。抹茶って普通の宿ではなかなかでないと思うので特別感あります。

「温泉」2つの内湯と3つの家族風呂

温泉は

  • 会津藩指定保養所の時代からある「きつね湯」(あつ湯)
  • 浴槽に大理石を使用した「さるの湯」(ぬる湯)
  • 3つありいつでも使用可能な「貸切家族風呂

となってます。(部屋についている温泉も何か所かあります)

どれも魅力があるので一通り入ってみることをお勧めしますが、

個人的にはぬるめの「さるの湯」が一押しです。

また、温泉は源泉かけ流し100% 完全放流式(加水なし、加温なし、循環濾過なし)で、毎日掃除を行っているそうです。

毎回新鮮な温泉が堪能できるのは最高ですね!

源泉名会津東山温泉
(向瀧1号、2号、3号混合泉)
泉質ナトリウム·カルシウム-硫酸塩·塩化物泉
(低張性弱アルカリ性高温泉)
旧泉質名:含塩化土類-芒硝泉
源泉温度56.6℃
湧出量24.0L/min(自然ゆう出)
pH値7.7
色・におい・味無色澄明、無味無臭

保養所時代から存在「きつね湯」

まずは会津藩指定保養所時代から存在していた歴史ある浴槽。

「きつね湯」ののれん

こちらの階段を下った先です。

のれんがあるのでわかりやすいかと思います。

「きつね湯」の脱衣所

脱衣所がこちら。古い施設と思いましたがしっかり手入れされていてきれいなことにびっくりです。

こういったところも丁寧に掃除されているんだなと感じたところ。

「きつね湯」の歴史感じる浴槽

そして浴槽がこちらです。シンプルながら左右対称の美しい作り。

天井には謎の「紋章」も。会津藩のものをアレンジしてるんでしょうかね。何ともかっこいい。

湯口にはたっぷりと白い析出物が

湯口にはたっぷりと白い析出物が付着。

長年の歴史を物語ります。

源泉が流れる湯口

さらにその上から源泉が流れているようです。

そしてこの浴槽の温泉なんですけど、まぁ熱い!

激熱です、公式HPによると45℃で投入しているようですから納得。

これはあえてなんでしょうね。

なのでぬる湯好きの私からすると、正直かなりきびしかったです。

が、やはり源泉かけ流しの温泉は新鮮で心地よいものでした。

温まりも良かった気がします。

割れた浴槽とライオンの湯口

左奥にはかけ湯用と思われる浴槽とライオンの湯口が。

浴槽が割れちゃってるので使えないんでしょうが、ちょっと残念。

消毒済みのバスタオル

ちなみに脱衣所にはきれいなバスタオルもあったので、濡れてしまった場合は新しいものを使うことができます。

ここら辺も気づかいが素晴らしいところですね。

一押しのぬる湯「さるの湯」

続いては一番大きな大浴場であるさるの湯。一押しの浴槽です。

「さるの湯」ののれん

こちらものれんがあるんで分かりやすいです。

場所的にきつね湯とさるの湯は反対側に位置していたと思います。

「さるの湯」の脱衣所

こちらの脱衣所もきれいに掃除されていました。

マットも清潔なのがうれしいポイント。

「さるの湯」の浴槽

浴槽がこちら!きつね湯と比べて現代的でゴージャス感が溢れます。

大理石で作られた浴槽

大理石で作られた浴槽は高級感たっぷり。ぜいたくな気分に浸れます。

かけ湯用の小さな浴槽

かけ湯用の小さな浴槽もあり、

かけ湯用の温泉から浴槽へ投入される温泉

そこから大きな浴槽に投入。無駄のない作りです。

奥の方からも析出物たっぷりの湯口

また奥の方からも析出物たっぷりの湯口から温泉が投入されてました。

2か所からの温泉によって温度が調節されているんでしょうかね。

こちらの温泉はきつね湯に比べて大変ぬるめ。

これが個人的には最高でした!

温度にして39~40℃といったところか。

この大きな浴槽の中じっくりと入ることができました。

お肌に優しいpH7.7のアルカリ性。透明でにおいもありませんでしたね。

リラックスできる素晴らしい温泉でした。長湯して心も体もリラックスしましょう!

ちなみに洗い場はこちら。

きつね湯のほうはシャワーがないので、洗うならこっちがいいかも。

DHCのアメニティでした。

いつでも入れる「貸切家族風呂」

最後は家族風呂。3つあるうちの一つを空いていればいつでも入れるシステムです。

蔦の湯、瓢の湯、鈴の湯とそれぞれ名前がついていました。

「貸切家族風呂」の各扉

階段を下っていきます。ご覧のように少し暗めの雰囲気。

「鈴の湯」の浴槽
「鈴の湯」
「蔦の湯」の浴槽
「蔦の湯」
「瓢の湯」の浴槽
「瓢の湯」

3つの家族風呂は、どれも作りやサイズ感は同じでした。

蔦の湯の彫刻

ちなみにこの記事を書くまで知らなかったのですが、天井にそれぞれの彫刻が彫ってあるらしく、なんというこだわり!といたく感心してます(笑

写真のは蔦の湯のもの。

こういった楽しみ方ができるのがこの宿ならではですね。

貸切風呂も湯口の析出物

この貸切風呂も湯口の析出物がえぐいです。芸術的!

蛇口にもつく析出物

おそらく蛇口だったと思うんですけど、析出物の影響で一切操作できない状態に(笑

ここでは隣に水の蛇口があるので温度調節できるのがありがたい。

浴槽が小さい分、鮮度も良かった印象です。

一部のお部屋には「客室風呂」も

すべての部屋にあるわけではありませんが、今回泊まった「松の間」には客室風呂がありました。

客室露天風呂拡大

サイズは小さいですが人が2人ぐらいは入れる十分な大きさです。

蛇口周りについた析出物

こんなところにも析出物が!すんごい。

隣に水を出せる蛇口もあるので温度調節も容易にできるので、ぬるめでゆっくりさせてもらいました。

部屋からすぐに行けるのでいつでも温泉を満喫できるのはやはりうれしい。

「料理」会津の郷土料理をいただく

会津の郷土料理をいただけるメニューになっている夕食。

向瀧夏の献立

夏の献立はご覧の通り。

前菜、ニシンの山椒漬け、鯉のタタキ、プチトマトのジュレなど

ヘルシーな前菜、ニシンの山椒漬け、鯉のタタキ、プチトマトのジュレなど。

会津の夏野菜お鍋

鍋物は会津の夏野菜。温かくいただきました。郷土料理感あふれる優しいお味です。

江戸時代より続く「鯉の甘煮」

「鯉の甘煮」は江戸時代から続く逸品。当時の人も食べてたのかと思うと感銘深い。

「紅鱒寿司」

夏の贅沢「紅鱒寿司」。オレンジの色味も美しい。

福島酵母和牛の姫ステーキ

福島酵母和牛の姫ステーキ、胃がもたれない様に控えめな量が上品です。

郷土料理「こづゆ」(公式HPより)

料理 夏の献立 【会津東山温泉 向瀧】公式HPより引用

すみません、写真を収めていませんでしたが、郷土料理「こづゆ」もいただきました。

素朴なお味で、長い歴史を感じる一品でした。お出汁も品があっておいしかった。

会津門田産 「新玉葱の揚けだし」

会津門田産 「新玉葱の揚けだし」。周りのサクサク感と中のトロトロ感がうまい。

スイカのゼリー

スイカのゼリー。最後まで上品でヘルシー。

一品一品手作りで、味だけでなく料理や器の美しさを感じました。

ゆっくりした時間を過ごすことができました。

朝ごはんメニュー

朝ごはんはこちら。

おなかに優しいヘルシーなメニュー。

ナスの揚げ浸し、ほうれん草やしいたけのつくだ煮など、これまた体に優しい内容。

定番の温泉卵も美味でした。

お鍋に入ったなめこの味噌汁

なめこの味噌汁は温かい鍋でいただけました。これでいつでも冷めずにおいしいのです。

色の美しい紅鱒は、蒸していただきました。

会津の「こしひかり」

お米は会津の「こしひかり」。単体でも美味しくご飯が進んじゃいました。

「まとめ」本当に美しい日本の旅館

東山温泉「向瀧」、素晴らしいお宿でございました。

ここでしか見ることのできない国の登録有形文化財の建物。

美しい中庭や池、お部屋の景観、温泉、料理など、ほかの宿では数々の体験。

堪能しつくすことができました!

こんな人にオススメ

  • 国の登録有形文化財の美しい建物が見たい方
  • 源泉かけ流しの温泉でゆっくり温まりたい方
  • 会津の郷土料理を味わいたい方

また、担当してくださった若い女性の方の所作やお話などもしっかりされていて、それでいて素直なお方でした。

宿の方の教育も素晴らしいと感じました。

チェックアウト時には最後まで手を振ってくれる

おもてなしも素晴らしくて、チェックアウト時最後まで手を振ってくださったり

心がほっこりしましたね。

日本の伝統的な旅館として本当に素晴らしい宿でした。

本物の日本の宿を味わいたい方、ぜひ一度足を運んでみてくださいね。