「然別峡 かんの温泉」宿泊|13源泉11浴槽を巡る山奥の秘湯宿泊体験

全国にはたくさんの温泉がありますが、一つの宿でいくつもの泉質が楽しめたら最高ですよね?

そんな温泉好きにとっては夢のような宿があるのです。

北海道の屋根である大雪山。その麓、鹿追町にある「かんの温泉」。

かんの温泉はこんな宿

  • 13の源泉を利用して11の湯船を設けている
  • 鹿も現れる山奥の秘湯
  • 秘湯ながら清潔でお洒落な館内

温泉好きの温泉好きによる温泉好きのための温泉宿といっても過言じゃございません。

山の奥に佇む一軒宿。そこにあるのは様々な泉質の温泉。

全部回るのは結構大変です(笑

しかし温泉をおなか一杯堪能できる宿であることは間違いありません。

今回はそのすべての温泉を紹介し、この宿の魅力をたっぷりとレポートします!

北海道 然別峡 かんの温泉

住所〒081-0344
北海道河東郡鹿追町字然別国有林145林班
TEL050-1721-9098
公式HP然別峡 かんの温泉
日帰り入浴大人650円/中学生300円/小学生200円
(入湯税込) ※幼児無料
日帰り営業時間12:00~17:00まで受付
(17時00分までに退出) 
チェックイン
チェックアウト
15:00~
~10:00
クレジットカード・電子決済の利用■クレジットカード
VISA・JCB・AMEX・DinersClub・MasterCard
■電子決済
楽天ペイ、PayPayなど
※日帰り入浴は現金のみ

鹿も現れる山奥の宿

宿は鹿追町の北側、北海道の屋根と呼ばれる大雪山のふもとにあります。

ちょうど北海道の中央辺り、道央と呼ばれてる場所ですかね。

ちなみに前日の白老町からレンタカーでひたすら走らせたのですが、まぁ広いですね北海道は(笑

直線の道がえらい長くて、普通に高速道路を走っているような感覚になりました。

「北海道はでっかいどう」のキャッチフレーズは伊達ではありませんでした・・。

そして何とかたどり着きました!山奥の一軒宿。

遠くには愛犬?番犬?がおりました。「近づくとかむ!」という看板もありました(笑

こちらには来られないようにはなってますので噛まれることはないと思いますが、お気を付けください。

なんというか、かわいそうな気もしちゃいましたね。

ちなみに翌日の朝見たら普通に鹿がおりました。

すげーっす、北海道の大自然を感じた瞬間でした。

ワンちゃんとのふれあい。微笑ましいシーンでした。

車を止めて緩やかな坂を登っていくと見えてきました。

こちらが宿の玄関です。

隣にも建屋があるのですが、こちらは温泉棟で、温泉に行く場合は主にここに入ります。

宿泊する棟はこもれび荘と呼ばれています。

共同の休憩スペースもありました。

本や漫画もあるので色々な過ごし方もできそうです。

各部屋の案内図。これを目印に温泉棟に行ったりしましたね。

あらかじめ覚えておくと後で楽かも。

「お部屋」ベッドのついた洋室

トイレ部屋付き
冷蔵庫あり
エアコンなし?(要確認)
Wi-Fiあり
テレビあり
タオル・浴衣あり

続いてはお部屋です。

お部屋は山奥の秘湯でありながら洋室という贅沢さ。

ふかふかのベッドもありくつろげます。

机も新しめで綺麗でしたね。

テレビ、冷蔵庫もついてました。秘湯なのに本当ありがたいです。

洗面所、またトイレも完備。いやぁ、思いのほかきれいで新しくてびっくりしました。

窓からは湧き出る温泉の湯気が見えました。山々も少し見えましたね。

「温泉」13の源泉を利用した11の湯船

それではメインの温泉に移ります。

冒頭でもお伝えしましたが、13の源泉を利用して11の湯船を設けているそうです。

全部紹介するのは大変ですが、せっかくなのでできるだけ紹介していきます。

まず大まかに分けると

  • 宿泊棟にある浴槽イコロ・ボッカの湯
  • 温泉棟のウヌカルエリア、イナンクルエリア
  • 貸切露天風呂の幾稲鳴滝(いねなるたき)の湯

の4つになります。

今回は貸切露天風呂がやっていなかったのでそれ以外の3か所に入ることができました。

なお、イコロ・ボッカの湯及びウヌカルエリア、イナンクルエリアは時間制で男女入れ替えです。

全部入るにはそこも考慮していきましょう。

なお、日帰りの場合はご覧のように券を購入するようです。

ちなみにこの中でお勧めの温泉が春鹿呼の湯コンカニペの湯あたりです。

理由は単純にぬるめだからです(笑

ただ温度の好みは人それぞれなので、この数ある浴槽からお気に入りを見つけると良いでしょう。

イコロ・ボッカの湯

源泉名源泉5号
泉質ナトリウムー塩化物·炭酸水素塩温泉
(中性低張性高温泉)
源泉温度56.4℃
湧出量
pH値7.8
無色透明
味・におい無味無臭

まずは宿泊棟にある温泉。

こちらの棟にはこの温泉しかないですが、かなり大きな浴槽です。

脱衣所は鍵もかけられるロッカーで安心です。

ご覧のように足元からポコポコ温泉が湧出する珍しいものです。

どーん。結構な大きさです。

岩の壁とかもあってちょっと広めの洞窟っぽい雰囲気。

温泉棟の方はさらに洞窟っぽいのですがね(笑

静止画だとわかりませんが、下からポコポコ自噴しており、大地の息吹を感じることができました。

温度は41~42℃ぐらいだったでしょうか。割かし入りやすい温度でしたね。

しかもこっちの浴槽は日帰り客があんまり来てなかったので独占できました。

洗い場とアメニティも充実してました。

「宝物が沸き上がる」という意味だそうですね。いい表現です。

浴槽の名前の多くがアイヌ語というのがまたいいです。

イナンクルアンナーの湯

源泉名源泉4号,11号
泉質ナトリウム-塩化物·炭酸水素塩温泉
(低張性中性高温泉)
源泉温度48.5 ℃
湧出量5L/min(混合)
pH値6.8
無色透明
味・におい弱カン味、無臭

続いてはイナンクルというエリアから、イナンクルアンナーの湯です。

案内図の通り温泉棟の左手になります。

こちらがその温泉。シンプルな四角い浴槽です。

湯量も豊富でオーバーフローしてましたね。美しい。

湯口が析出物により白っぽくなりボコボコとした形を形成してました。

成分の濃さを感じます。

この温泉は結構熱めでしたね、長く入るにはちょっとしんどいかも。

イナンクルアンノーの湯

源泉名源泉1号
泉質ナトリウムー塩化物·炭酸水素塩温泉
(中性低張性高温泉)
源泉温度52.3℃
湧出量13L/min(自然湧出)
pH値7.2
無色透明
味・におい弱カン味、無臭

続いてはイナンクルアンナーの湯の隣、イナンクルアンノーの湯です(名前が似ててややこしい 笑)

浴槽に少し段差のある方と言ったらわかりやすいかな。

隣のやつとは異なる源泉のようで、豊富な源泉を余すことなく使ってますね。

こちらもまた四方八方に温泉がオーバーフローしてるのが美しかったです。

そしてこっちも隣の浴槽同様に熱かったかな。

温度のぬるさでいえばこの奥にある露天風呂がちょうどよかったので、あんまりじっくり入れなかった印象ですね。

このあたりでたくさん洗い場もあるので体を洗うのに困ることはなさそうです。

春鹿呼の湯

源泉名源泉8号
泉質ナトリウム-塩化物·炭酸水素塩温泉
(低張性中性高温泉)
源泉温度44.9℃
湧出量4L/min(自然湧出)
pH値7.73
無色透明
味・におい弱カン味、無臭

イナンクルエリアの一番奥にある温泉。

露天風呂は二か所ありますが、春鹿呼(しゅんろくこ)の湯は右側。

イナンクルの中では一番のぬる湯でした。37~38℃ぐらい?

源泉の温度も44℃とほかのお湯より低めなのが影響しているんですかね。

なので個人的にはかなりお勧めの浴槽です。

少し鉄っぽい香りがしたかな。

自然にできた湯口からゆったりと温泉が流れてました。

秋鹿鳴の湯

※源泉はイナンクルアンノーの湯と同様

露天風呂は2か所ありますが、その左側にあたる温泉が秋鹿鳴(しゅうろくめい)の湯。

源泉はイナンクルアンノーの湯と同じようです。

湯口はこちら、ちょろちょろと出てました。調節しているからなのかな。

隣の春鹿呼の湯に比べてあったかいです。源泉もこっちの方が高いようです。

しかし露天のおかげかこっちも内湯よりもぬるめでいい感じ。

39~40℃といったところでしょうか。

隣がぬるすぎる場合はこっちがちょうどいいかも。

いずれにせよこの露天風呂二つが長く入るならお勧めですね。

ウヌカルアンノーの湯

※源泉はイコロ・ボッカの湯と同様

続いてはウヌカルエリア。

ウヌカルアンノーの湯がこちら。

お湯が満ち満ちてるのが美しいです。

白っぽく固まった析出物の芸術的な姿でいうとこれが一番きれいでしたね。

そして湯口もすんごい。ドームのようなものが形成されていました。

温度もけっこう熱めでしたが、入れるレベルでした。

42~43℃ほどかな。しかし源泉はイコロ・ボッカの湯と同じなんですけど、臭いが結構違うんですよね。

この湯はアンモニアっぽいというか、鼻につんと来るにおいがしましたね。

同じ源泉なのに違うのが不思議だなと感じてます。(当時は同じ源泉と分からなかった・・)

ウヌカルアンナーの湯

源泉名源泉10号、12号
泉質ナトリウムー塩化物·炭酸水素塩温泉
(低張性中性高温泉)
源泉温度45.9℃
湧出量5L/min(混合)
pH値6.8
無色透明
味・におい弱カン味、無臭

ウヌカルアンノーの隣に鎮座するのは「ウヌカルアンナーの湯」。

こちらがその浴槽。細長い浴槽になってます。

しかしこれまた熱めでしたね。もう一個の隣のほうがまだ入れた感じ。

なのであんまり味わう余裕もなく(笑

というか風呂多すぎてゆっくり入れなかったというのも理由の一つですが・・・。

源泉をまとめている今、改めてまた一通り入ったら面白いかもしれないです。

きちんと理解しながら入れるというかね。

そして相変わらずすんごい析出物でした。

波切(なみきり)の湯

源泉名源泉3号
泉質ナトリウムー塩化物·炭酸水素塩温泉
(低張性中性高温泉)
源泉温度45.9℃
湧出量5L/min(混合)
pH値6.8
無色透明
味・におい弱カン味、無臭

ここから紹介する3つの温泉はウヌカルエリアの最深部。

波切の湯はその奥の真ん中にどんと構えます。

怪しげな洞窟のような雰囲気の先に・・

現れました!ひょうたんのような形をしています。

この洞窟のような雰囲気に鎮座する、秘境にある温泉のような趣がいいです。

湯口周りは析出物でコーテイングされてます。天然の滑り台のようになってます。すごいっす。

温度はかなりの熱め。43~44℃ぐらいの体感でした。入れなくはないけど長湯はできないかも。

しかし神秘的な雰囲気です。湯気でもやがかっていてるからでしょうかね。

シロカニペ(銀の滴)の湯

源泉名源泉7号
泉質ナトリウムー塩化物·炭酸水素塩温泉
(低張性中性温泉)
源泉温度41.5℃
湧出量1L/min(自然湧出)
pH値7.0
無色透明
味・におい弱カン味、無臭

波切の湯の隣にある小さな温泉「シロカニペの湯」がこちら。

人一人ぐらいしか入れないかなり小さな浴槽。

こっちも自然に形成されたであろう湯口。芸術です。

温度は源泉が41℃ほどなのもあってかなりの適温。

40℃ぐらいだったかな。そして新鮮なお湯を独り占めできるのが素晴らしい。

湯口が茶色っぽいのもあってにおいはサビのような香り。

コンカニペ(金の滴)の湯

源泉名源泉2号
泉質ナトリウムー塩化物·炭酸水素塩温泉
(低張性中性高温泉)
源泉温度48.0℃
湧出量2L/min(自然湧出)
pH値6.5
無色透明
味・におい弱カン味及び微苦味、無臭

最後は個人的一押しの温泉、「コンカニペの湯」。

周りを岩に覆われ、上の方の湯口から流れるように浴槽に落ちてくる温泉。

自然の神秘でございます。

ながーい析出物が形成されてました。こんなのなかなか見たことないです。

そしてこちらの温泉の温度が非常にぬるかった。

37~38℃ぐらいでしょうかね。もう最高です。

サイズはそんな大きくなくて入れて3人ぐらいかな、小さめの浴槽です。

においはシロカニペの湯と同様にサビっぽい香りでした。

温まりは他に軍配ですけど、ずーっとリラックスして温泉に浸かれるのが何より良かった。

洞窟のような神秘的な雰囲気の中夜中に一人で浸かってましたね(笑

「料理」秘湯宿ながらしっかりしている

宿の食事は宿泊棟でいただきました。

利き酒も楽しめる「夕食」

夕食から行きましょう。

最初はシンプルなお刺身、煮物などが並びます。

意外なメニュー、麻婆豆腐。辛いのが苦手なのですが、程よい辛さで美味しくいただけました。

牡蠣やホタテなど魚介類の入ったお鍋。流石にいいお出汁が出てました。

北海道なのでビールもサッポロクラシック。ビールは正直最近まで味の違いが判ってなかったですが、サッポロクラシックは甘味があってかなり好きなビールですね。

アサヒのスーパードライなんかより好きだと最近分かりました(笑

ご飯はセルフでいただきます。

正直メニューは決して豪華ではありませんでしたが、温泉をメインに楽しむ宿なので十分満足できました。

利き酒のメニューもあり頼んでみました。

北海道の日本酒を味わえたような気がしました。

シンプルメニューの「朝食」

続いて朝食。

朝食はとてもシンプルなメニュー。

定番の鮭とだし巻き卵。

納豆やヨーグルトなども定番ですね。

人によっては足りないとか味気ないという意見もあるでしょうが個人的には問題なかったです。

朝はあんまし食欲湧かないということもあってむしろちょうどよかったです。

「まとめ」温泉のワンダーランド

「然別峡 かんの温泉」、いやぁ、すべての湯船を紹介するのは結構疲れました(笑

しかしそれだけ複数の源泉を使用していろいろな形の浴槽を楽しめる宿なんだと感じましたね。

まさに温泉のワンダーランド

こんな人にオススメ

  • とにかくいろんな温泉に入りたい方
  • 鹿など自然動物に会いたい方
  • 秘湯宿でも清潔で過ごしやすいところに泊まりたい方

また余談ですが、夜なんかは星がすごくきれいで、

ご覧のような景色を見ることができました(iphoneなので画質荒いですが・・)

色々な意味で自然を満喫できる宿でした。

ちなみに宿から車で少し行き、しばらく歩いたところに野湯の「鹿の湯」なんかもあったりします。

こちらの宿に訪れた際には、そちらもあわせて訪れてみてくださいね。